ラーメン学校に行くメリット4つと、通う前に絶対知っておくべき心構え!
はじめまして。
大阪の行列ラーメン店【人類みな麺類】など、6ブランドを運営している松村貴大と申します。
ありがたいことに、ラーメン口コミサイト「ラーメンデータベース」さんでは、全国通算3位を頂いております。(2019年12月時点)
【人類みな麺類】
※2019年12月時点
ラーメン屋の開業・経営をこれから始める方、そしてすでに始めている方の中には『ラーメン学校に通うべきか?』と考える方も多いのではないでしょうか?
『ラーメン学校で独立するってどう思いますか?』という質問を、私も何度か受けたことがあります。
結論から述べると「ケースバイケースである」と個人的には考えています。
一つ言えるのは、「ラーメンのこと何も分からないからとりあえず行こう」とお考えの方は要注意であるということ。
このページでは、ラーメン学校に通うことをお考えの方に向けて
- ラーメン学校に行くメリット
- 「修行」と「学校」どっちが良いの?という話
- 通う前に知っておいた方が良い心構え・考え方
を分かりやすく解説していきます。

このページに記載の内容は全て松村個人の考えです。
ラーメン経営者によって考えが異なる部分も多いであろうことは、予めご了承ください!
ラーメン学校に行くと得られる4つのメリット!
ラーメン開業においては、「修行」という選択肢以外にも「ラーメン学校に通う」という選択肢があります。
ではまずは「ラーメン学校に行くと得られるメリット」を個人的な目線で4つ挙げてみます。
最近は変わりつつあると思いますが、まだまだ「一年は皿洗いだ」といった精神論を振りかざすラーメン屋も多いのでは無いでしょうか。
もちろんそこに意図があってそのようにしている大将も多いとは思いますが、「一年は皿洗いするものだ」という固定概念をお持ちの大将も中にはいらっしゃることでしょう。
また修行先によっては、例えば「製麺は大将が担当するので一切学べない」といったお店もあります。
そのため『さっさとラーメンの作り方を教えてくれよ!』という方には、専門学校は良いと言えます。
もしも修行に入る場合、基本的には「作りたい味のジャンル」は決まっていることがほとんどでしょう。
例えば『味噌ラーメンが大好きだから、味噌ラーメン店を作りたい』など。
となると必然的に「味噌ラーメン専門店」に修行に入りますので、当然覚えるのは味噌ラーメン。
味噌ラーメンは豚骨や野菜ベースが多いと思うので、それらの知識は身につきます。タレはもちろん味噌タレを作りますよね。
一方で専門学校であれば、鶏や牛、魚を使ったスープなど、一通り学べるところもあります。
タレも色々と作るでしょう。
そういう意味では「幅広い知識を知った上でオリジナルの味を作り上げたい人」には良いと言えます。
ラーメン学校に通うことで、
- これからラーメン屋を開業しようと考えている方
- すでにラーメン屋を開業している方
- ラーメン屋以外の飲食店を開業しており、ラーメン業界に参入予定の方
などと出会える可能性があります。
もしもあなたの周りに上記のような知り合いがいないのであれば、積極的に仲良くなっておくことで、「同じ目標を持った相談相手」として末永く付き合いが出来るかもしれません。
ラーメン学校によっては、カリキュラム終了後に「実験店舗」を設けてくれる学校もあります。
実験店舗とは「“自分のオリジナルの味”を実際に提供できる場」です。
そのため「世の中に自分の想い描く味が受け入れられるのか」を事前にある程度確かめられます。
実際に開業・運営が始まると、固定費(家賃・人件費・光熱費など)が掛かります。
万が一赤字を垂れ流している状態であれば、その中で「新たなラーメン」へと舵を切るのはかなり勇気がいることです。
そこも含めて「経営」ではありますが…。
そのため「事前に試すことでリスクを潰しておける」という意味では、そういう場がある学校は「初めて開業する方」には良いでしょう。
ただし「事前に試せる」という意味では「修行」の場でも同じことが言えるため、「修行のメリット」としても以下の記事で紹介しております。
関連ページ
>>ラーメン屋修行が「絶対に必要」な7つの理由と、修行先の選び方
「修行」を選ぶべき人、「学校」を視野に入れると良い人
ここまで「ラーメン学校のメリット」を挙げてきましたが、個人的にはラーメン学校は「ケースバイケースで通うべき」と考えています。
そしてケースによっては「修行」を選択した方が良い人もいると、個人的には思います。
ここではその理由を、
- 「修行」を選ぶべき人
- 「学校」を視野に入れると良い人
の2つに分けて説明します。
①:「修行」を選んだ方が良い人
「修行」を選んだ方が良い人は、結論から言うと「修行をしたことがなく、かつ飲食経験もない方」です。
※たとえ飲食経験があったとしても、ラーメン店を開業・経営したい方は、基本的には修行にて一通り学ぶことが理想ではあります
なぜならば「お金を払って学べる内容」には限界があると思っているからです。
極端な話、行列店のオーナーさんは「数千万円を積まれても核となる部分は伝えない」という方が多いのではないでしょうか。
さらに、学校はおおよそ7~14日ほどでカリキュラムを修了します。
※その後に実験店舗で学べる学校もありますが…
その短期間で「ラーメンの基礎」は学べると思いますが、「流行るラーメンがそれで作れるのか?」と言うと、私は疑問です。
さらには「接客」「経営論」に関しては、座学で学ぶ程度で終わります。
「“ラーメン作りの基礎” を学んだだけで開業する」というのは、あまりにもリスキーだと個人的には感じます。
なので右も左も分からない方は、お金を払って学びに行くというよりは、より実践的な「ラーメン屋での修行」でしっかり知識を身に付けることをオススメします。

『何年も修行している時間はない…』と考える方もいらっしゃると思いますが、私は1年半しかしておりません。
修行する理由が明確であれば、ダラダラとすることなく、辞め時を自分で判断できると思います!
「あなたが目指す味」をそこで学ぶことは出来ますか?
ちなみに私は「醤油」だけを研究して来ましたが、それで正解だったと思っています。
実際、味噌も豚骨も勉強したことはありませんが、ラーメン屋としては「成功している」と言えるでしょう。
何事もあれやこれやと広く浅く知るより、一点集中型の方が壁を突破しやすいと思います。
余談ですが、過去にラーメン学校に通った方から『松村さん、どうしても味が作れないのでプロデュースしてください!』という依頼を受けたことがありました。
彼はラーメン学校で幅広い知識が身につき、幅広いジャンルのラーメンを作れるようにはなりましたが、「目標としている味には近づけなかった」のです。
結局「学校で得た基本的な知識」をどれだけバリエーション多く応用できるのか、それは経験に左右されることが多いです。
もちろん「修行」したからと言って理想の味を作れるようになるわけではありませんが、ある程度ヒントを得られるでしょう。
>>ラーメン屋修行が「絶対に必要」な7つの理由と、修行先の選び方
②:ラーメン学校で学ぶのもアリと思う方
一方で、ラーメン学校の選択も視野に入れると良いと思われる方としては、
- すでにラーメン屋を開業している方
⇒新たな味を学んだり、経営のヒントを得に行く
- 他の飲食店を経営しており、経営の基本的な知識をお持ちの方
⇒ラーメンの基礎を知り、既存の知識と融合させる
でしょうか。
これらの方は「①修行を選んだ方が良い人」よりも、ラーメン学校に行く理由がより明確になっているはずです。
具体的には「足りない部分を補うために行く」というイメージですかね。
これまでの経験により「本当の意味での“基礎”」がしっかりしているため、得た知識をどのように活かせば良いのか理解しやすいと思います。
よく「点と点が繋がって線になる」と言いますが、何も知識が無い人が通うと「点」は増えると思いますが、それを上手く「線」に変えていけるのかと言うと、経験がなければそこが難しいポイントなのかな、と。
なおいずれにせよ「資金」は必要ですし、「短期間で学んでラーメン屋を開業する」というのはリスクがあるため、
- 資金面
- 知識面(経営に関することや、飲食に関すること)
ともに余裕がある方が、「+αの知識を身に着ける」という意味で通うのが良いと私は思います。
ラーメン学校に通う前に絶対知っておくべき心構え
ラーメン学校にこれから通おうと考えている方の中には、『これで俺も繁盛店を創るぞ!』という気持ちをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
しかしそれは「結果」です。
最も大切なことは「学校での学びをどれだけ吸収し、自分なりのモノに変えていけるのか?」だと思っています。
ここが超重要であり難しいところですが、その先に「繁盛店」があるので、まずは「ラーメン学校で200%学び尽くす努力」をしましょう。
たとえば、投資の世界で見れば「○日で勝てるトレード方法!」といった商材がありますよね。
最近ではYoutubeを見てると「Youtubeでたった○日で10万円稼ぐ方法!」なんて甘い言葉が並んでいたり。
事実、そこから得られるものも多いと思うのです。
しかし一方で、「お金を払ったら自分も出来るようになる」と勘違いする人が多いのも事実でしょう。
そして「お金を払うこと」に満足してしまう方もきっといます。
※「ビジネス本を買って満足してしまう」なんてことは私もよくあります(書かれてる事を全く実践せず身に付かず…)
ラーメン経営には「店舗」という実態があり、上で挙げたようなビジネスとは性質が異なりますが、私が言いたいのは「お金を払うことで成功が確約された」と勘違いしてしまう人がいることです。
主体的な努力がなければ成功はない
成功への絶対条件は、「自分で日々考えて動く」という主体的な努力が継続出来るか否か。
「ラーメン学校で何を得たいのか」「その経験をどのように活かすのか」を明確にしていなければ、「学んだ気持ち」になって終わりです。
「いろんな味を作れるようになった」は良いが、それが本当に世の中に受けるのか?
受け入れられなかった時、それをどのように変化させていくのか?
開業するということは、常に考え続ける必要があります。
「お金を払えば成功できる」という甘い世界ではありません。
さらには今やラーメン業界も「美味しいのが当たり前」の世界。
もう一歩先にどのように進むのか。
目標を明確に持ち、「ラーメン学校で何を学び、それが目標にどのように活かされるのか」をまずはしっかりと考えましょう。
『なんとなく行ったら何とかなりそう』と浅い思考しかない方は、学費を無駄にする可能性が高いのでご注意を。
学校だけで成功できる人だっている!
上で『ラーメン経営について何一つ分からない人は修行が良い』と言いました。
しかし修行は開業後のリスクを下げる(成功の確率を上げる)ために、選択肢としてオススメしているだけであり、これが100%の正解でもありません。
努力できる人は、ラーメン学校で学びつつも独力で成功を掴み取るでしょう。
ただ割合としては少ないと思います。
繁盛させている知り合いは皆、どこかしらで修行しています。
と言うことで、どこに「時間」と「お金」というリソースを割くのか、すでに「経営者としての判断」を迫られています。
経営者として「フランチャイズ」も選択肢に入れておくべき理由
『ラーメン屋としてどうしても作りたい味がある!』という強いこだわりがないのであれば、「フランチャイズへの加盟」も選択肢の一つとして考慮しておいた方が良いです。
フランチャイズと聞くと、『いやいや儲からないでしょ!』『搾取されそう…!』という悪いイメージを持つ方も多いと思います。
しかしフランチャイズには、一言で言うと以下の大きなメリットがあります。
ラーメン屋を開業する上での「失敗する要素」を抑えられるため、成功する確立を上げられる。
一部のFC業界のイメージで、フランチャイズ全てを同様に捉えてしまうと勿体ないです。
また、『独自の味で勝負したい!』というのは「ラーメン屋の夢」としては間違いありませんし、私もその道を歩んできたため否定はしません。
しかし実際は「3年以内に70%が廃業する」というのが現実です。
>>ラーメン屋の閉店理由・廃業率がヤバい!経営の難しさを現役が解説
修行も「開業後の失敗を抑える」という意味で重要ですが、修行したとしても流行っていないお店は多いです。
フランチャイズでは「未経験でも美味しいラーメンを作れる」ように仕組み化されていますし、すでに知名度のあるブランド力を使うことで、集客もスムーズに行えます。
経営者として「独自の店舗」「フランチャイズ加盟」のどちらにリソースを割くのかによって、将来が大きく変わる可能性があります。
『将来、無一文になっても良いんだ!俺は俺の味でいく!』という方以外は、まずは冷静にフラットな目で「フランチャイズ」という選択肢にも目を向けてみて下さい。
フランチャイズで成功している方も大勢いらっしゃいます。
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>>実はスゴイ!ラーメン開業をフランチャイズでするメリット9つをプロが解説【完全版】
まとめ!
ラーメン学校に行くメリットや、「修行」を選ぶべき人、そして「通う前に知っておくべき心構え」について解説しました。
経営者は常に「どこにお金を使うのか」の判断をしなければならず、それが大きな利益へと繋がる可能性もあれば、失敗に終わる可能性もあります。いわゆる「投資」です。
だからこそ『お金を払えば何とかなる』という甘い考えを持つのではなく、まずは現状を理解し、そこに対して『今必要な段階なのか?今ここに投資することで何らかのリターンが得られるのか?』という観点で考えてみましょう。
「学校に行けば成功できる」のであれば誰もが通いますし、世の中「名店」ばかりでしょう。
最後に、松村の経験から「成功・失敗する要素」を以下にまとめていますので、宜しければこちらもどうぞ。
>>ラーメン屋開業は儲からない?失敗・成功が決まる11のポイントを解説
フランチャイズに加盟しない場合はいきなり開業するのではなく、まずは「修行」をすることで「開業後に失敗する確立」を下げることをオススメします。
>>ラーメン屋修行が「絶対に必要」な7つの理由と、修行先の選び方
「修行する時間が無い…」という方は、変な先入観を捨てて、フランチャイズ加盟も視野に入れて見てください。メリットが多いですよ。
>>実はスゴイ!ラーメン開業をフランチャイズでするメリット9つをプロが解説【完全版】
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