【悲報】新店オープンで「すぐ行ってみる」人の割合はたった17%!しかも「2度目のチャンス」も極わずか…
はじめまして。
大阪の行列ラーメン店【人類みな麺類】など、6ブランドを運営している松村貴大と申します。
ありがたいことに、ラーメン口コミサイト「ラーメンデータベース」さんでは、全国通算3位を頂いております。(2019年12月時点)
【人類みな麺類】
※2019年12月時点
さっそくですが…
新店オープンした時には、ラーメンファンのうちどれくらいの割合の方に来店して頂けるのでしょうか?
また、もし味が「微妙」だった場合に、2度目の再訪はあるのでしょうか?
『新店のオープンラッシュに期待していたのに、全然来なかった…』なんてことも現実にあります。
なので「新店オープン時のラーメンファンの意識」について、300人にアンケートを取ってみたところ、衝撃的な結果が出たため「現実」としてお伝えします。
これからラーメン屋を開業する方に伝えたいこと、それは
新店オープン時は、『未熟なのでお手柔らかにお願いします…』という甘えた気持ちは捨て、本気でリピーターを捕まえにいけ!
ということ。
その理由は、アンケート結果を見れば一目瞭然です。

この記事の内容は「オープン3か月目以降に売上が落ち込む理由」の一つとして考えられます。
これから開業する方だけでなく、開業後に伸び悩んでいる方にもぜひ参考にして頂きたいです!
今回のアンケートの目的・内容をまずは紹介!
まずはアンケートの目的と内容を解説します!
アンケートの目的!
アンケートの目的は、大きく以下の3点の調査です。
- 新店オープンには「ラッシュ」が存在するが、ラーメンファンのうちどのくらいの割合の人が、どんな意識で来てくれるのか?
- 新店オープン時のラッシュを少しでも伸ばすためにはどうすべきか?
- 初来店で『微妙だな』と思わせてしまった場合に、二度目のチャンスはあるのか?
ラーメンは他の飲食と比べると「マニア」が多く、新店オープンラッシュも作られやすい傾向があると思います。
そのため「無名」でもラーメンファンの方には来て頂けると思っておりますが、その割合や、「再訪への意識」を調べてみました。
アンケートの内容
ラーメンファン300人を対象に、以下についてアンケートを取ってみました。
- 近所にラーメン屋(無名ブランド)が出来た場合に、あなたはどうしますか?
⇒「ネットの評価が重視されるのか?実際の店の状況が重視されるのか?」を調査
- 一回目で美味しくなければ、もう二度と行かないのか?
⇒「再訪への意識」を簡単に調査
①近所にラーメン屋(無名ブランド)が出来た場合に、あなたはどうしますか?
まずは一つ目のアンケートについて。
近所にラーメン屋(無名ブランド)が出来た場合に、ラーメンファンはどのような行動に出るのか?
結果がこちら。
選択肢 |
人数 |
割合 |
---|---|---|
すぐに食べに行く | 53 | 17% |
店内の様子を伺い、お客さんが入ってそうであれば食べに行く | 125 | 42% |
レビューが付くのを待ち、評価が高ければ行ってみる(当日、お客さんの有無で入るか決める) | 24 | 8% |
レビューが付くのを待ち、評価が高ければ行ってみる(当日、お客さんの有無は気にしない) | 38 | 13% |
パっと見で繁盛してなければ、レビューも調べないし行かない | 36 | 12% |
その他 | 24 | 8% |
※割合について、小数点以下は四捨五入しております
「その他」の意見
「その他」については、以下の通りの意見でした。
- 値段が安ければ行く。
- まずい店でも開店直後はそれなりに混雑していると思われますので、落ち着くまで~2週間程度は店内の様子を伺いながら待って、それでもそこそこお客さんが入っているのであれば食べに行きます。
- レビューよりも食べた人の直接の感想を重視し、実際に美味しい言葉があれば行ってみる。
- メニューや味の系統が自分の好みであるかを伺い、好みっぽければ行ってみる。
- メニューを見て、美味しそうであれば試してみる。
- 家族に感想を聞く
- 近所を散歩するふりをして、においをくまなく観察し、好みに合いそうならGO!
- しばらく様子を見て、客がずっと入っているのなら行く
- とりあえず食べに行く(1年以内)
- 女性一人で入っても違和感のない雰囲気であれば食べに行きます
- 自分が知っている人の評判が良ければ行きます。
- ちょうどラーメンが食べたくなった時に、行ってみる。(1ヶ月以内かどうかはわからない)
- クーポン付きチラシが新聞折り込みかポストに入っていれば行ってみる
- 家族や友人など身近な人の感想を聞き、評判が良ければ行く
- 初日に食べにいく
- 店の雰囲気、外観、内観を見て様子を見て、周りに口コミを聞く。
- とりあえず様子を見て、評判が良かったら行く
- 家族か知り合いに聞いてから行く
- 知人や友達が行った様子を聞いて、よさそうなら行く
- オープンしてから1ヶ月程たっても並んでいた場合行ってみる
- 割引券をもらえた上で、レビューが付くのを待ち、評価が高ければ行ってみる(当日、お客さんの有無は気にしない)
- 行列が出来ていたら空いてから食べに行く
- 外から店内の様子が見えるお店ならすぐに食べに行きますが、外から店内の様子を窺うことが出来ないお店ならばレビューが付くのを待ち評価が高ければ食べに行きます。
- すぐには行かず静観し、状況に関わらず2~3ヶ月程度経てから食べに行く。
この結果から分かること!
1つ目のアンケート結果を簡単にまとめると…
- 「何も考えずに食べに来てくれる人」は17%と、ラーメンファンであっても意外と保守的である。
- 「店の様子を見て判断する人」が42%おり、さらに「パっと見で繁盛してなければ、レビューさえ見ないし行かない人」が12%いることから、約半数のラーメンファンが「実際に繁盛しているか否か」を見ている。(大切な要素である)
- 「レビューの高評価を待って食べにくる人」が21%いるほか、「その他の意見」を見る限り「ネットの声」だけでなく「生の声」も重視されるため、ラッシュを長引かせるためには味やサービスをしっかり準備しておかなければならない

ポジティブに表現すれば、最初は「71%(レビューを見ずに実店舗だけを見て来てくれる人達)」の方には来てもらえるチャンスがあるということ。
そしてパっと見で「客の入り」が分かるか否かは、ラッシュを味方につける上で関係してそうですね。
さらにこの後の2つ目のアンケートを見ると、「初来店を大切にしなければならない理由」が分かります。
②一回目で美味しくなければ、もう二度と行かないのか?
2つ目のアンケートは、「再訪に対する意識」の調査。
「新店に食べに行った結果、あなたなら以下のどれに当てはまりますか?」という質問を、以下の選択肢で行った結果…
選択肢 |
人数 |
割合 |
---|---|---|
一回目で美味しくなければ、もう2度と行かない | 249 | 83% |
美味しくなくとも、違うメニューを食べに再訪してみる(サービス面は悪くない前提) | 51 | 17% |
なんと「2度目のチャンス」は17%しか残っていないという結果に…。
なので『最初だから味が完成していないのは大目に見てください…』『他のメニューもぜひ食べてみてください…』と甘えていると痛い目に遭ってしまうのです。
「売上の80%は、リピーターである20%のお客様が作り出している」なんて言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃると思いますが、アンケートでも同じような数字が出てきました。
つまり「1つ目のアンケート」の結果とまとめて見てみると、
オープン時に味を完成させていなければ…
- その後はほぼリピートしてくれない
- 高評価が付かないことで、「他者の評価で来店する人(約20%)」も取りこぼす可能性がある
というダブルパンチを食らってしまうのです。
あなたも経験ないですか?
たとえその後にお客さんが入っていたとしても、『あの店一回行ったけど大したことなかったんだよなぁ。』という印象を持つこと。
そして、たとえ味が改善されていたとしても、その後食べることなく「一回目の印象」を知人に伝えてしまうこと。

「開店直後は売上が良いが、3か月目あたりから落ち込む」ことが多いのですが、これは「一回目で満足させられなかった結果」と捉えられるかもしれませんね。
※色んな要素があると思うので、一つの要素としてあり得るということです
厳しい現実に立ち向かう4つのヒント!
これらの結果を見る限り、来店して頂ける可能性はあるとは言え、1回目で胃袋を掴めなければその後は苦しいスタートを強いられます。
一般的に『6か月は赤字を覚悟しろ』と言われますが、そのケースに陥ることが多いのが現実でしょう。
逆に1回目に『おおっ!!』と言わせることが出来れば、その後は良い感じに売上が伸びていきます。
ちなみに私の創業店「人類みな麺類」も、今でこそ毎日のように行列を作って頂いておりますが、最初は1日10人来て頂けるかどうか…という状態でした。
では「どうすれば良いのか?」と言うと…
ここでは私なりの4つのヒントを書いてみます。
私の中では「修行は当たりまえ」ではありますが、最近は「ラーメン通」の方が “勢いだけ” でラーメン店を立ち上げてしまうこともあるようで…
はっきり言って5年や10年といった修行は必要ありませんが、「土台作り」として「ラーメン屋の経営と味づくり」を最低限学んでおく方が良いです。
その理由は、ズバリ「開業後に失敗する確率を抑える」ため。
その中に、上で話に挙がった「リピーターづくりのために、一回目に胃袋を掴めるか?」という話が含まれているわけです。
(修行により味の完成度UP⇒リピーターUP⇒失敗確率DOWN)
味づくりの「基礎」を知らなければ今後のメニュー開発でも苦戦します。
さらに店の回し方などの「営業」、そして売上や原価の考え方など「経営」に関わる要素も大切です。
何事も「基礎」を知っておくことで「無駄な失敗」を省けるため、独自の店舗で開業するのであれば、修行しておいて損はありません。
関連ページ
>>ラーメン屋修行が「絶対に必要」な7つの理由と、修行先の選び方
今回のアンケートでは『一回目で美味しくなければ行かない』という声が8割以上を占めたのですが、実は「サービスレベル(接客や店内の清潔感など)」を上げることで、再訪してもらえるチャンスが残っているのです。
「飲食店(特にラーメン屋)での接客態度で、その後の行動は変化するのか」を697人に投げかけたところ…
- 味が普通でも、かなり接客が良く近場であればその後も通う
⇒67%
- 接客が良くとも、美味しくなければもう行かない
⇒82%
このような結果が出たのです。
前提として「近場であれば」という点がありますが、近場の方にこそリピーターになって頂けることで、安定した売上に繋がります。
では、どのような接客をすれば良いのか?
逆にどのような点に気を付ければ良いのか?
大切なことは「お客様視点で見た時の、不快な接客・好感度の高い接客」を知ることです。
以下の記事では、697人の声を分析し、そのすべての答えをまとめました。
経営していく上で一生切り離せない「超重要な要素」であり、すべてのラーメン屋が知っておくべき内容です。
あなたがもし『リピーターを増やしたい』のであれば、ぜひ一度目を通してみて下さい。
一番読まれている記事
>>リピート率が驚異の70%に!あなたが気づいていない「不快にさせる接客」と、「また来たい」と虜にする接客術!
多くの経営者が『俺の味なら絶対イケる』と信じ、それで勝負していることと思いますが、「開店直後の味」で世間にうまく受け入れられることの方が稀でしょう。
そこから何度も何度も味の調整を行い、原価の調整を行い、軌道修正を繰り返す中で繁盛する味に変化していくわけです。
もちろん繁盛してなくとも「家賃」などの固定費は掛かり続けるため、運転資金が枯渇しない余裕が必要。
最初に多く借り入れておくことはもちろんのこと、固定費は極力下げておくことが、撤退を遠ざけるために重要です。
赤字でも運転資金があれば盛り返すチャンスがありますが、運転資金がなくなればゲームオーバー。
毎月の固定費を抑えつつ、まずは「その立地に適した、お客様に求められている味」を追求しましょう。
「フランチャイズのラーメン屋」と聞くと、
- ロイヤルティが高そう
- なんか稼げなさそう
- 自分の味を出せないなんてラーメン屋として夢がない
なんてマイナスイメージを持つ方もいらっしゃると思いますが、正しい本部を選べば独自で開業するよりも儲かります。
フランチャイズでは基本的に「リピートされる味」が作られており、かつ価格も安く抑えられるように作られているため、客足が安定する(安定した売上を作ることが可能)のです。
フランチャイズ加盟には多くのメリットがありますが、それらを集約すれば「失敗する要素が削られ、成功する確率が上がる」という点に行き着きます。
「ラーメン屋の70%が3年以内に廃業する」というデータが出ている中、失敗する確率・成功する確率に関しては、「現実」としてしっかりと目を向けるべき数字です。
『開業しよう』と考えた瞬間から、あなたは「経営者」として全てのことに取捨選択を迫られます。
独自で開業しようがフランチャイズに加盟しようが、同じ「お金」「時間」を使った結果、数年後の未来は大きく変わる可能性があります。
フランチャイズに対する『稼げなさそう』という思い込みを一度捨て、フラットな目で、経営者として幅広い選択肢に触れてみてください。
関連ページ
>><ラーメン開業>フランチャイズのメリット9つをプロが解説【完全版】

良くも悪くも「ネットの評価」で判断されてしまう今の時代、あなたも『行ってみよう!』の前に「評価の確認」をすることが多いと思います。
しかしネットがなかった時代は「とりあえず行ってみる」という行動によって、どんなお店にも今よりはまんべんなくお客さんが来ていたのではないでしょうか。
ネットの普及により、今はそこそこ美味しくても「食べログで評価が正しく反映されない」「覚えのないマイナスなことを書かれる」などの理由から、お客さんが来ないというお店も多々あると思います。
そんな中で、オープンラッシュは「ネット評価」を全く無視できる最初だけに与えられる「ボーナスステージ」だと思いますので、ここで上手く評価を集められるか否かは、その後の売上に多少なりとも影響を与えるのは間違いないです。
まとめ
「新規オープン時に来てくれるラーメンファンの割合」と「一回目が微妙でも、再訪してくれる割合」について、アンケート結果を紹介しました。
最後にこのページの内容を簡単にまとめてみます。
この記事のまとめ
- 新規オープン時、「何も考えずに食べに来てくれる人」は17%しかいない
- 約半数のラーメンファンが「実際に繁盛しているか否か」を見ており、繁盛していれば食べに来てくれる
- レビューを見てくる方が20%を超えるため、ラッシュを長引かせるためにも、味・サービスは自分なりに完璧に仕上げてから開店すべき
- 「初来店で美味しいと感じなければ、2度と来ない」という方が83%もいる(二度目のチャンスは17%ほどと厳しい)
- つまり「オープン3か月後からの売上失速」は、初期のラッシュで満足させられなかったために、良い口コミが広がらなかったり、リピートされなかった結果かもしれない(一つの要因として)
- 修行をすることで味を高めつつ、「味の改善」をするための「運転資金の余裕」を持つために、固定費は下げておくべき
- サービスレベルを高めておけば、初来店で「微妙」と感じても、再訪してもらえるチャンスがある
- フランチャイズは「失敗の要素」を削り、「成功の確率」を上げるため、選択肢の一つとして見ておくべきである

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